- Yuri Fujiwara
吃音のこと。
たまに話題になる、吃音症のこと。
あまり人に言う機会がないので書いてみるよ。
私は小学生高学年くらいから大人になるまで吃音症、そして今も少しだけ吃音が残っている。
特定の音が出せない。
自分の名前が言えない。
友達の名前を呼べない。
挨拶ができない。
小学校の卒業式で1人ずつ台詞を大声で言うやつ、言おうとしても言えないので友達と一緒に言ってもいいですかって先生に言った。
ずっと吃音がコンプレックスで、人に吃音だと悟られたくなくて必死でとりあえず発声できる代替の言葉を探した。
ああ、あ、ああってなってるのを人に聞かれたくなかった。
新卒で就職してから、新入社員は電話を誰よりもすぐ取って、社内の人に取り次がなきゃいけないんだけど、
社名が言えない。
「お電話ありがとうございます」の「お」が出せない。
なんなら、毎朝「おはようございます」の「お」が出せなくて、挨拶できるか毎日毎日不安だった。
発声できないから何かしら動きをつけながら、とか
何か別の言葉を発しながら流れで挨拶ができるように工夫した。
その頃あ行は単発だと全然出ない音だった。
ありがとうございます、も言えない。
申し訳ないが電話は出ないことにした。
そしたら社内で「当たり前のことができない奴」になる。
反感も買っただろうな。
ある朝出社したらデスクのど真ん中に電話が置かれていた。
電話に出ろという意図で。
サッとデスクの脇に置き直した。
今思えばメンタル強かったし、そのことで叱責されなかったのは不思議だった。
当時の方々には、多大なご迷惑をかけたし嫌われてただろうな。
勿論会社で自分が吃音だって一言も言ってないし、ただただ嫌で怠慢な新入社員で通した。
吃音だと知られたとしても電話は出なきゃだよね。
なんでこんな、誰でもできることができなくて悩まなきゃいけないんだろう。
口が詰まってお礼が言えなくて緊張することが人生に必要なことなの??
生きづらくてしょうがない。
腹が立つからもう喋れない人になってお金でももらおうと思って調べたこともある。
まぁそれはしなかったけど。
(重度の人は障害手当金出ます)
大人になるにつれて言える言葉が増えて言った。
なんで治ったのかわかんないけど、誤魔化し方が上手になっただけかも。
今でもあ行はたまに出ないけど、流れで誤魔化す。
吃音があることで人と話せなくなったり、心を閉ざすようなことがあるなら、
矯正する機関に一刻も早く行った方がいいと思うけど、
当事者は行きたくない人もいるよね。
私は全く行こうと思わなかった。
吃音があることを人に知られたくなかったから。
私が吃音で悩んでいた時に他に吃音の人に会ったことがなかった。
今行っているジムの小学生で吃音の子がいて、少し気にしてそうだったので
「ねぇ、私もさ同じように音が出なかったり喋れなかったりしたことがあったけど、大人になると良くなったよ」
って話しかけてみた。
そのことで彼がどう思ったかわからないけど、ちょっと安心した顔になってた。
乗り越え方は人それぞれだからこうした方がいいよっていうのは言えないけど、
同じことが自分にもあったよって聞くことで自分は変じゃないんだって思えるのかもしれない。
吃音も個性って書こうと思ったけど、そんな綺麗事聞きたくないよね。
そのせいで苦しんでるのにさ。
自分に向き合う、とかもやだ。
できれば吃音になんてなりたくなかった。
まだ吃音を許せていないなあ。と今思った。
ちなみに、気づいてびっくりしたのは英語話してても吃音出るんだよね笑
あいつらには言語関係ないらしい。
おわり